プラスチックゴミの削減とリサイクルの推進、CO2の削減、再生可能エネルギーの活用を軸に、甲子園球場はさらに「環境にやさしい球場」を目指します。
みなさまのご協力をお願いします。
阪神甲子園球場は、「阪急阪神ホールディングスグループ サステナビリティ宣言」において定めた6つの重要テーマのうちの1つである「環境保全の推進」に取り組むため、環境保全プロジェクト「KOSHIEN“eco”Challenge」を2021年12月9日に宣言しました。すでに、2007年~2009年に実施したリニューアル工事の際に「環境への配慮」を掲げ、銀傘(球場の大屋根)への太陽光発電の設置、井戸水・雨水の利用、プラスチックカップのリサイクル推進等に取り組んでいましたが、この宣言において、新たに以下3つのテーマを設定し、さらに「環境にやさしい球場」を目指します。
プロジェクトの推進にご賛同いただく協賛企業を「阪神甲子園球場オフィシャルエコパートナー」としてお迎えし、各種の取組みをともに推進していきます。
スコアボード内にある「eco」の文字を顔に見えるように配置し、”みんなが笑顔になるように”という思いを込め、新たに環境保全に取り組んでいく前向きな姿勢を表現しています。ロゴマークを設定することにより、環境保全活動についてのPRを強化していきます。
KOSHIEN”eco”Challengeの取り組みをより多くのお客様に認知していただきたいという思いから阪神タイガースの近本選手を甲子園“eco”ChallengePR大使に任命いたしました。
球場内の売店で使用しているプラスチック製の容器・包材を、紙をはじめとするバイオマス製品に変更し、プラスチックの使用量の削減をします。
甲子園焼き鳥は従来から紙包材を使用しており、甲子園やきそばは2020年10月から、甲子園カレーは2021年から紙包材に変更し、3大グルメ包材全てのバイオマス素材への変更を終えています。
グッズショップ及び飲食売店で使用するレジ袋を、2020シーズンからバイオマス素材配合の袋に変更しています。
2012年から、球場内で使用後のポリエステル製ビール用プラスチックカップを帝人フロンティア㈱ と共同で分別回収し、球場イベントで配布されるノベルティなどにリサイクルする取組みを行ってきました。お客様に向けた回収協力の呼びかけを強化すること等により、2022年シーズンに約35%(約10トン)となった回収率を更に向上していきます。また、リサイクル製品の用途拡大として、2023年シーズンよりグラウンドのラバーフェンスの中材クッションについて、プラスチックカップ由来のリサイクル繊維を用いて製造しています。球場設備へのビールカップリサイクル素材の採用は球界初の取組みとなります。
その他、循環型リサイクルの取組みとして、 ㈱シモジマと帝人フロンティア㈱ とともに、阪神甲子園球場で回収したプラスチックカップの再生原料を一部に使用したリサイクルごみ袋を開発し、2022年のシーズンより同球場で使用しています。
球場で回収されたプラスチックカップ10%のほか、ペットボトルを20%、ポリエチレンの再生原料を35%配合しており、再生原料65%とリサイクル率が高く、通常のポリ袋に比べ約15%のCO2排出量を削減できる製品です。
ビール用プラスチックカップをリサイクルしたPET再生原料をごみ袋の原料に使用するのは、日本初となります。
球場内でのペットボトル回収について、回収率とリサイクル率の向上のため、アサヒ飲料 ㈱ の協力を得て、お客様に向けた回収協力の呼びかけを行っています。特に、回収したペットボトルの質は、リサイクル率の向上において重要な要素となるため、ペットボトルのキャップ・ラベル除去の推進を図り、帝人フロンティア ㈱ の協力により「ボトルto繊維」を推進することで、球場内でのリサイクル素材の活用拡大に繋げるとともに、2023年にはアサヒ飲料 ㈱ と共同で「ボトルtoボトル」の取組みも開始しました。
2022シーズンから新デザインとなる球場スタッフユニフォーム(ポロシャツ)の素材として、帝人フロンティア ㈱ のリサイクルポリエステル繊維(エコペット®)を採用します。更に、リサイクル素材を活用した商品開発についても推進し、活用用途の拡大を図ります。
飲食売店において発生する食品ロスの削減を図るとともに、堆肥・飼料化も検討することで、今後は、食品循環資源としてのリサイクルにも取り組みます。
2022シーズンからナイター照明を全面LED化します。これにより、従来のHIDランプに比べ、CO2排出量を年間約60%削減することが可能となります。
阪神タイガース主催による公式戦において「カーボンオフセット期間」を設け、Jクレジット制度を活用したカーボンオフセット試合を開催し、試合で排出されるCO2をオフセットします。
2014シーズンから順次進めている球場内照明のLED化を、2025シーズンまでに全て完了します。
場内通路の空調機等、球場内で使用する電気・ガス機器を、さらに省エネ効率の高い機器に更新していきます。
阪神甲子園球場の名物でもある蔦(ツタ)は、1924年の阪神甲子園球場の誕生とともに外周に植え付けられました。このツタによる壁面緑化は、ヒートアイランド現象の緩和や空調効率の改善にもつなげています。
2007~2009年に実施したリニューアル工事に伴い、新しくなった銀傘に設置された太陽光発電装置により、年間193,000kwhを発電し、これは球場ナイター照明において1年間で消費する電力の2倍に相当します。今後は、将来的な太陽光発電装置の更新も含め、更なる再生可能エネルギーの活用に取り組みます。
球場敷地内の井戸からくみ上げる井戸水に加えて、2009年のリニューアル工事以降、銀傘に降った雨水を地下タンクに貯水し、グラウンドへの散水や場内トイレの洗浄水に使用しています。これにより、球場が年間に使用する水量(約 66,600㎥)の約65%を賄っています。今後は、汚水排出量の削減にも取り組みます。
【近本選手からのコメント】
KOSHIEN “eco” Challenge PR大使に就任しました、近本光司です。環境問題に注目が集まる中、阪神甲子園球場での取り組みに関わることができ大変光栄です。プラスチックカップ・ペットボトルの回収率向上など、ファンの皆さんも一緒に、野球もecoも、日本一を目指しましょう!